かつて自衛隊に体験入隊した三島由紀夫に、有名作家だと誰にもバレないように変装して東京都台東区の山谷地区に潜行する訓練や、チームプレーによる尾行訓練といった、“最も深い影の部分”を指導したのは、陸軍中野学校の元教官で、戦後は「別班員」の育成に従事した人物だった。
そんな帝国陸軍から引き継がれた“負の遺伝子”ともいうべき「別班」の実体に迫った『自衛隊の闇組織 秘密情報部隊「別班」の正体』を上梓したあと、
東京・市ヶ谷の防衛省に勤務する背広組(防衛官僚)、制服組(自衛官)らの、私に対する反応はさまざまだった。
大臣室などがある防衛省の本館・A棟の廊下で会った旧知の陸上自衛隊幹部は、目が合うと近寄ってきて、小声で私にこう告げた。「一佐(一等陸佐)の自分が知らなかったことばかり。でも内容がヤバすぎる。書いてしまって本当に大丈夫なんですか?」
A棟の廊下で黙礼を交わした別の自衛隊幹部は、擦れ違いざまに一言、周囲に聞こえないよう、こうささやいた。「気をつけて下さいね」
一方、厄介な話に関わりたくないということなのか、長年にわたる知り合いなのに、これまでと違って視線をそらす人も出てきた。
陸上自衛隊幹部でさえまったく知らない闇組織、幹部でさえ恐れる非公然部隊――本当にそんな組織が陸上自衛隊内に存在するのか。どんな海外情報活動をしているのか――記事にするべく「別班」の影を追い続けた、この5年半だった。
自衛隊幹部から脅迫めいた言葉を聞いたこともあった。「本当にあなたが虎の尾を踏んでしまったら、(別班は)あなたを消すぐらいのことはやる」
そんな別班をめぐる動きは、現在もめまぐるしい。たとえば2018年になって、次のような重要な動きがあった。これまで部隊同士の連携がなかった陸海空3自衛隊のヒューミント(人を媒介とした諜報活動、人的情報集活動のこと)部隊を、防衛省情報本部が一元管理する仕組みに防衛省が改めようとしているのだ。
ここで注目すべきは、この3自衛隊のヒューミント部隊の中核をなすのが、首相、防衛相も存在を知らされず、文民統制(シビリアン・コントロール)を逸脱している非公然部隊「別班」である、という点だ。
「国民にも、国にも『別班など過去も現在も存在しない』と言う説明を繰り返していればいいんだ」という防衛省・自衛隊の一種の開き直り、暴挙とも捉えることができる。到底看過できるものではない。
「別班」をめぐる動きでは、こんな構想もある。それは、陸上幕僚監部が非公然秘密情報部隊「別班」を、陸上自衛隊唯一の特殊部隊である「特殊作戦群」と一体運用する計画を検討していた、という事実だ。
この一体運用構想は、自衛隊の海外展開を念頭に、特殊作戦とインテリジェンスを連携させるのが狙いだという。具体的には、国際テロ組織アルカイダの指導者で容疑者のウサマ・ビンラディンをパキスタンで急襲、殺害した米海軍の特殊部隊「SEALS(シールズ)チーム6」を目標としているという証言も得られた。
「別班」と「特殊作戦群」の一体運用構想は、文民統制を逸脱する海外情報活動をしている部隊を使い、憲法が禁じる「海外での武力行使」に踏み込む任務を想定していることから、二重の意味で自衛隊制服組の独走といえよう。
この構想をはじめて知ったとき、「陸上幕僚監部は、別班についてここまで大胆なことを考えていたのか」と驚愕せざるを得なかった。
「特殊作戦群」のメンバーは群長を除き、公式の場では黒色の目出し帽をかぶることが義務づけられている。陸上自衛隊の中でも特別な部隊で、やはり厚い秘密のベールに包まれている。

引用元: ・【陸上自衛隊幹部でさえ恐れる秘密情報部隊】 別班のヤバすぎる 「実体」と 「現状」
by制服組幹部
岸田もよろしくね!
毎週記事書いてもらっているじゃん
イスラエルのモサドのような存在ではなく 諜報活動程度だろ?
要人暗殺などドラマの見過ぎ
コメント