https://mainichi.jp/articles/20230331/k00/00m/040/230000c
埼玉県で2番目に多い約60万人が住む川口市で4月1日、「大きな声で川口が大好きだと叫んでみませんか川口プライド条例」が施行された。
自民党の議員が中心になって制定した同条例。
市民は街の中で「川口が大好きだ」と叫んだ方がいいのか。
「価値観の押し付けだ」と懸念の声も上がる。
吉永小百合さん主演の映画「キューポラのある街」(1962年)の舞台となった川口市。キューポラはコークスの燃焼熱によって鉄を溶かす炉で、鋳物産業が盛んな地域として知られてきた。
近年は東京都心へのアクセスの良さや充実した商業施設が評価され、「本当に住みやすい街大賞 関東ランキング」で2021年まで2年連続1位に輝いた。
22年度の市民意識調査では、「住み続けたい」との回答が85・3%に上る一方、「誇れる魅力がある」は35・3%にとどまる。
川口に愛着や誇りを持ってもらおうと、自民党の市議4人の政策検討チームが条例化を進めた。連合町会などとの意見交換会や、他会派を交えた勉強会を経て、22年12月の市議会で条例案が賛成多数で可決・成立した。
名称の由来について、チームのリーダーを務めた関裕通議員(49)は毎日新聞の取材に対して、こう説明した。
「新型コロナウイルスの流行の長期化を踏まえ、マスク着用が浸透している今だからこそ、『大きな声で川口が大好きだと叫んでみませんか』と条例名に記載することで、川口プライドを高めていきたい」
条例案に関して意見を公募する「パブリックコメント」(パブコメ)は行われなかったが、関氏は「本市議会の議員提出議案は、実施しないのが例だ」と答えた。
条例は、市民や通勤・通学者らを「みんな」と定義し、「みんなに川口プライドを持つことを強く求めるものではない」としており、大きな声で叫ばなくても罰せられることはない。
条例の定めによれば「みんな」は川口に関心を持ったり、魅力を発信したりすることを自由に楽しめばよいという。
市議会の審議では、公明党の石橋俊伸議員(64)が「川口を愛する心を育むことこそ、川口プライドを醸成することにつながる」と賛成意見を述べた。
これに対し、共産党の板橋博美議員(57)は「憲法に保障される内心の自由に反している。多様性を認め合う暮らしこそ魅力あるまちとなる」と反対討論を行った。
条例は、川口プライドを育む市の取り組みについて「財政上の措置を講ずるよう努める」とも定める。市は23年度当初予算には直接関係する事業費を盛り込んでおらず、既存事業の充実から始める方針だ。
だが、4月に控える市議選(16日告示、23日投開票)の立候補予定者からも異論が出ており、日本維新の会の新人、中川峻一氏(35)は「税金の使い道として分かりにくい。ネーミングセンスもずれている」と疑問視する。
JR川口駅前で市民に受け止め方を聞いてみると、評価が分かれた。
60代の女性は「市民のプラスになるよう手探りでやっていることは評価できる」と理解を示した。
70代の男性は困惑気味に語った。「愛着や誇りは気持ちの問題。叫ぶなんて荒川の土手ならいいが、街中では異常だし恥ずかしい。花を植えるとか他の方法があるんじゃないか」
※全文はソースでご確認ください
引用元: ・【賛否】「大きな声で川口が大好きだと叫んでみませんか川口プライド条例」施行 [煮卵オンザライス▲★]
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