火災発生から5日目の輪島市河井町。木造家屋は焼け焦げ、がれきの隙間(すきま)から白い煙がまだ上っていた。焦げたにおいもする。輪島港から約100メートルにある「朝市通り」は、海産物や民芸品を売る木造店舗が建ち並んでいた。被災以前なら、建物に遮られていた海も焼け野原越しに見通せる。
「火と、ねずみ色っぽい煙が徐々に広がっていた」。住民の男性(76)は、河井町地区の西側から火の手が迫ってくるのを見たという。
「嫌な予感がした。木造が密集している場所だから、火が付いたら一気に燃え広がる」。地元消防団長の川端卓さん(70)は、通りで電器店を営む。最大震度7を観測した最初の揺れの後、自宅を出て約250メートル離れた津波の指定避難所「ふれあい健康センター」へ逃げながらそう思った。まだ火災は起きていなかったが、警戒のため消防団の車庫に向かった。
放水に使うポンプ車を取りに行ったが、地震の影響で車庫のシャッターが大きくゆがんでいた。いったん自宅付近に戻る途中、炎に包まれた建物が見えた。「火事だ」。地震発生から約2時間が経過した午後6時すぎのことだ。
別のポンプ車を保管していた倉庫もシャッターが壊れかけており、3人がかりで窓ガラスを割って進入。ポンプ車を出すのに約20分かかった。火災現場に戻ると、既に北側の住宅に延焼していた。防火水槽は、地震で崩れたがれきに覆われていた。仕方なく、地区西側を流れる河原田川に、「いろは橋」からポンプ車のホースを下ろした。
だが、津波による引き波の影響からか川を流れる水の幅が普段の半分しかなく、水をくみ上げることも容易ではない。約30人の消防団員としては、延焼を食い止めるすべがなかった。
この頃には、奥能登広域圏事務組合消防本部(輪島市)の消防車も到着していたが、断水やがれきのために消火活動は思うに任せない様子だった。火はどんどん燃え広がる。川端さんら団員は交代で夜通し警戒に当たり、翌2日の明け方、ようやく火勢が収まった。「悔しい。申し訳ない。やることはやったが、想定外が続き、どうすることもできなかった」と唇をかむ。
毎朝、露店が建ち並ぶ「輪島朝市」は、年間120万人以上(新型コロナウイルス禍前)の観光客をまちに呼び込む原動力だった。自らも自宅を失った川端さんは「輪島を象徴する伝統のある場所だったのに。復興できるんか」と肩を落とした。
同消防本部によると、火災は1日午後6時ごろ発生。数台の消防車が出動したが、断水により消火栓が使えず、電柱が倒れて道路を塞いだため、放水に使う防火水槽に消防車がたどり着けなかったという。このため、川の水を使って放水するしかなかった。【大野航太郎、鈴木拓也】
毎日新聞 2024/1/6 19:35(最終更新 1/6 20:49)
https://mainichi.jp/articles/20240106/k00/00m/040/192000c
引用元: ・「想定外続き…」焼けた輪島の観光名所 消火活動の一部始終、消防団証言 [蚤の市★]
この辺りの住人は異常に気位が高く
平時から余所者を見下すような態度をしていたからな
いい気味、ざまあみろメシウマw
スマホなんて熱でそっこー壊れそうだが、、、
すごい仕事したな…敬意を表さざるを得ない
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