それは「アッザム」で「ガンダム」と交戦した時のことです。この戦闘においてマ・クベは、「アッザム・リーダー」で「ガンダム」を一時的ながらも拘束することに成功し、また砲塔を破壊されるものの無事に撤退しました。いわゆる「成功体験」に近いものがあったことでしょう。
ここで特筆するべきは、「アッザム」にキシリアを同乗させていることです。キシリアが「ガンダム」を甘く見ていた可能性もありますが、それ以上に「マ・クベの『アッザム』が撃墜されることはない」という確信があったのでしょう。そうでなければ安全を第一に動き、自分自身を危険な状態に置かなかったはずです。
ここから察するに、キシリアからもマ・クベの操縦技術は一目置かれていたことになるでしょう。「アッザム」の原型である「ルナタンク」の操縦経験があったのかもしれません。また後付け設定ですが、「MSV」に「マ・クベ専用グフ」があるくらいですから、実はMS操縦はお手のものだった可能性もあります。
シャアがマ・クベに対して「付け焼刃」と酷評する場面がありますが、その腕前を知っていたわけではないでしょう。それまでのマ・クベの行動から考えれば、戦略家として実績を築いてきたわけですから、自ら武器を取って動くことなど想像してなかったのかもしれません。
「ガンダム」相手に単独で長時間、渡り合ったことを考えれば、「ギャン」の性能を差し引いてもマ・クベは並のパイロットでないことがわかります。逆にアムロ・レイのニュータイプへの急速な覚醒は、思わぬ強敵だったマ・クベとの戦いがきっかけだった可能性も考えられるでしょう。
そう考えると、自ら前線に立たなかっただけでマ・クベはエース級の実力を持ったパイロットだと思えます。「ランバ・ラル」や「黒い三連星」に辛辣な言葉を発したのも、パイロットとしての実力は五分以上という自負があったからかもしれません。
異説になりますが、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』マンガ版で、マ・クベは味方側のオデッサ後退を助ける行動を取っています。こういった行動を見ると、マ・クベのパイロットとしての技量はけっして「付け焼刃」ではなかったのかもしれません。
引用元: ・徹底討論、ガンダムを苦しめたアッザム・リーダー。なせ1代限りの技術で後継兵器は現れないのか [866556825]
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