MRT東西線について協力を推進する。もう、いい加減聞き飽きたというのが関係者の本音ではないだろうか。
日本政府は去る12月16日、日本・東南アジア諸国連合(ASEAN)友好協力50周年特別首脳会議に合わせて開かれたインドネシア、ジョコ・ウィドド(ジョコウィ)大統領との首脳会談の要旨を「ファクト・シート:次世代に向けた日本インドネシア2国間協力の強化」として公表した。
冒頭の一節は、このなかに記されたものである。東西線建設についての協力推進は、これまでも首脳会談など、両国代表者が顔を合わせる度に確認が繰り返されてきた。もはや何十回目かもわからない。
ジャカルタMRT(MRTJ)東西線事業は、2010年に事前準備調査が、2015年に先行区間の基本設計および入札補助が円借款契約され、いずれも完了している。つまり、インドネシア側がゴーサインを出せば、いつでも着工できる状態であり、2019年時点では2021年の着工を目標としていた。
しかし、一向に着工の兆しが見られない。この背景は、当媒体の記事「ジャカルタMRT建設、「オールジャパン体制」に暗雲 現地に漂う日本への失望とは」(2022年6月24日配信)にて詳報しているが、関係者たちは2023年度中の円借款契約締結、2024年度の着工を見込んでいた。MRTJ社も、第1期区間(トマン~メダンサトリア間:24.5km)の2024年8月着工を2023年9月に発表しており、それだけに今回の首脳会談は注目されていた。
■政治的な舞台裏
どうして、こうも東西線事業は具体化されないのか。
それは、総延長およそ90kmにも及ぶ計画区間にある。従前の南北線のようにジャカルタ首都特別州(DKI)内で完結せず、東は西ジャワ州、西はバンテン州にまでまたがっている。つまり、“都営新宿線が千葉県内に顔を出す”ような状況になる。
日本の政府開発援助(ODA)は、原則、国と国との契約である。よって、被供与国のメインカウンターパートは、国鉄であったり、運輸省であったりすることがほとんどだ。しかし、ジャカルタMRT事業の主体は、DKIの下に置かれている州営MRTJ社である。南北線建設時も、国が主導するのか、DKIが主導するのか大いにもめ、これだけの議論で数年を費やした(それだけ着工が遅れた)といわれている。
・日本の規格をそのまま持ち込めること
・プロジェクトに政治的な横やりを入れさせたくないこと
・国鉄(KAI)職員を使わず健全な会社をゼロから作れること
から、日本側としてもDKIに主導権を握らせたかったわけだが、最終的にDKIと国の負担比率を51:49にすることで決着が付き、それが成功した。
DKIが中央政府同等の借款返済能力があるからこそできる業であるが、一方でDKIと国は犬猿の仲である。経済の一極集中により、都が国をしのぐほどの力を付けることはどこの国にも起きていることで、インドネシアに限ったことではないが、特にジョコウィ政権が発足してからというものの、DKIと国の政治的対立は顕著になっている。
(略)
■横暴なUFKKとJICAのファインプレー
■抵抗するDGR
■DGR反発の陰にヨーロッパ
■英国の「案件横取り」
東南アジアの鉄道整備というと、すぐに「中国」というキーワードが上がり、安直な批判の対象になるが現実はそう単純ではない。
特にインドネシア、ジャワ島への鉄道開発支援は、「焦げ付き」などのリスクが非常に低く、優良案件として世界のドナーが注目している。今回、英国が突如、東西線事業に名乗りを上げたというのは、かつて、高速鉄道が中国に受注されたのと同じく、
「案件の横取り」
ともいえる行為である。しかし、開発援助の仕組み上、これを防ぐことはできない。もはや、東南アジアにおける開発援助は日本の独壇場ではなく、各国が鎬(しのぎ)を削っている。
しかし、街づくりや公共交通整備など、面的地域開発の案件醸成、マスタープラン(基本計画)作成では、日本は抜きんでているといわれている。よって、そこに他国が今後も後乗りしてくる可能性は高い。
2023年は日本・インドネシア国交65周年、そして日本・ASEAN友好50周年という節目の年で、さまざまなイベントが開催され、天皇陛下のご訪問もかなったわけであるが、何とも日本に分の悪いニュースばかりの1年で、最後にくらいよい知らせを聞かせてもらいたかったというのが正直なところである。
日本政府は、過去の栄光にあぐらをかくことなく、相手国と対等に向き合い、また一方で、関係諸国の動きに注視し、現地で今何が起きているのか、情報収集に務めるべきである。
全文はソース先で
1/22 13:44 Merkmal
https://news.yahoo.co.jp/articles/08320ef47fced8bf537207c9b2625a793973f9cf
引用元: ・「完全なる日本外し」インドネシア“MRT東西線”はなぜ具体化されないのか…暗躍するイギリスの狡猾さとは[1/23] [ばーど★]
分かりにくい比喩だな・・・
確かに都営新宿線の終点は千葉県市川市の本八幡だけど
日本は価値観の合う人々と仲良くすべき。
何でそんなに必死なん
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