しかし宿泊のキャンセルが相次ぐなど観光客の足は遠のいており、同市の観光関係者は複雑な思いも抱えつつ、「能登の応援のためにも金沢に来て」と呼び掛けている。
金沢市観光協会などには地震発生後、「観光に行っていいのか」「迷惑にならないか」といった問い合わせが多数寄せられた。兼六園で築山の石積みが崩れるなどの被害はあったものの、臨時閉園していた金沢城公園が20日から再開するなど、通常の営業に戻っているところも多い。市の担当者は「余震への注意を伝えた上で、来て大丈夫と答えている」と説明する。
しかし「金沢市民の台所」として知られ、週末には観光客ら約3万人が集まるという「近江町市場」は人通りが大きく減り、飲食店の一部はシャッターが閉まったままだ。近江町市場商店街振興組合の石山博之事務長によると、国内観光客の減少が特に目立ち、客足はコロナ禍前の2割程度までに落ち込んでいるという。
「石川県全部が(被害の大きかった)能登のように思われている。金沢に来てもらうことが能登の応援につながる」と石山さんは訴える。
同市場にあるすし店「海鮮丼いちば」は、客足が減少したため、営業規模の縮小を強いられている。同店の坂尻保さんは「本当にお客さんに来てほしい」と切実な思いを吐露しつつ、「自分らだけ忙しくなっていいのかな、と葛藤もある」と話す。
石川県金沢城・兼六園管理事務所の押野朗所長は「能登にあれだけの被害が出ている。来ていただければうれしいとは思うが…」と複雑な胸中を明かす。金沢市旅館ホテル協同組合の担当者は「来てとは言いづらい雰囲気がある。安全なときにまた来てもらえれば」と今後に期待を込めた。
引用元: ・相次ぐキャンセル、金沢に打撃 葛藤しつつ「観光で応援を」 能登地震 [首都圏の虎★]
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