平山亜理 2024年1月28日 22時22分
東京都府中市長選は28日投開票され、現職の高野律雄氏(62)=自民党、公明党、国民民主党、都民ファーストの会推薦=が、新顔の甲田直己氏(68)を破り、4選を果たした。当日有権者数は21万3296人で、投票率は33・78%(前回31・92%)だった。
3期12年続く高野市政の継続か転換かが問われた選挙だった。高野氏は府中市議を3期務めた後、2012年の市長選で初当選。今回も過去3回と同じく自民や公明などの推薦を得て、一騎打ちの争いを制した。
選挙戦では「未来を担う子どもたちをはぐくむことが一番大切」と、少子化対策の重要性を訴えた。多摩地域で初めてとなる公立小中学校の給食無償化を実績として強調。今後は基金を創設し、それを財源に安心して子育てできる環境を整えたいとした。
また、地震や台風といった自然災害があっても安心して暮らせる地域づくりを心がけたいとし、「自主防災連絡会」の充実を図ることも公約として掲げた。近隣自治体の市長らにくわえ、20人以上の府中市議も応援に入った。
甲田氏は、19年の市発注の官製談合事件を追及してきた経験から、「癒着となれ合いの市政」と批判。「隠し事がない開かれた市役所にしたい」と訴えた。非正規職員の待遇改善や、高齢者や生活困窮者への支援の強化も掲げた。市民団体とともに、共産党や府中・生活者ネットワークの市議らの支援も受けたが、及ばなかった。(平山亜理)
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