昨年10月の衆院選で林芳正総務相(山口3区)の陣営が選挙ポスター貼りなどの労務費の支払先として山口県選挙管理委員会に報告した人の一部が、労務に従事しておらず、報酬も支払われていなかった疑いがあることが読売新聞の調べでわかった。支払先として領収書に記載された同県山陽小野田市の7人が取材に「領収書に身に覚えがない。報酬も受け取っていない」と証言した。
「選挙運動費用収支報告書」によると、林氏の陣営は昨年10月12日~11月1日の日付で、約270人に労務費として計約316万円を支出したとしている。労務費は、立候補準備や選挙運動に関連して行う単純で機械的な作業をした人に支給できる報酬。今回の収支報告書に添付されている領収書は、労務費の名目として「ポスター維持管理費」か「ハガキ筆耕」のどちらかに印を付ける書式になっていた。
読売新聞が今月、領収書の支払先として記載があった人たちに取材したところ、山陽小野田市の7人が、領収書の署名は「自分の字ではない」と証言。仕事をしていたにもかかわらず、「無職」と書かれていたり、実際に居住する住所とは異なる住所が記されたりしていたケースもあった。
7人はいずれも、労務費として1日に支給できる報酬の上限1万円が支払われたことになっていた。「後援会で(労務に当たらない)選挙カーと一緒に回る手伝いはした」と話す人もいたが、いずれも「報酬は受け取っていない」と証言した。
公職選挙法は、選挙運動の支出について、金額や目的を記載した領収書などを提出するよう求めており、領収書などに虚偽の記入をした場合には、3年以下の拘禁刑か50万円以下の罰金に処すると定めている。
林氏の事務所は取材に対し、「詳細を承知していないので、コメントすることは難しい。ご指摘の点については精査が必要と判断し、現在、事務所において確認作業を進めています」と文書で回答した。
公選法に詳しい只野雅人・一橋大教授(憲法学)の話 「選挙資金の使い方については透明性確保が求められる。領収書の内容に疑問を生じさせる記載があれば、選挙活動に問題があったとみられかねない。少額であるから許容されるものではなく、きちんと説明責任を果たす必要がある」
引用元: ・【政治とカネ】林芳正氏陣営の労務費、領収書に記載の7人「報酬受け取っていない」と証言 [1ゲットロボ★]

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