「民主主義と権威主義の間で、私たちは民主主義の側に立つことを選んだ」。頼氏は13日夜の記者会見で、勝利の意義を訴えた。さらに「中国の軍事的威嚇から台湾を守る決意がある」と中国への対抗姿勢を鮮明にした一方、「対等・尊厳を前提に、中国と交流・協力を進める」とも述べた。
選挙戦で頼氏は「平和への四つの柱」という方針を示し、防衛力増強による抑止力の確立や経済安全保障の強化を掲げて、中国に対抗する考えを訴えた。
民進党は1996年に総統選が直接選挙となって以降、初めて3期連続で政権を担う。高まる中国の脅威に対する警戒感が市民に共有された結果といえる。
◆中国軍機侵入は常態化、兵役延長は実現したが
2022年8月にペロシ米下院議長(当時)が訪台すると、中国は台湾を囲んで大規模な軍事演習を行った。中台の中間線を越えた中国軍機の侵入も常態化している。中国の圧力に対抗するため、民進党政権は24年から兵役を4カ月から1年に延長することを決めた。政府系シンクタンク「国防安全研究院」の王尊彦(おうそんげん)副研究員は「政治的に難しいと思われていた兵役延長が実現した。市民の危機感は高い水準のまま維持されている」と分析する。
しかし、「今日の香港は明日の台湾」のスローガンが浸透した前回総統選のような爆発的な危機感の高まりはない。中国も前回の教訓から台湾市民への刺激を避け、市民の関心はより身近な経済格差や不動産価格の高騰にも向けられた。台北市の大学院生の女性(25)は「友人の間では住宅や物価の高騰を重視する声が強い」と話した。
◆相次ぐ汚職や不祥事に反発強く
頼氏は選挙戦で、立法院(国会)での単独過半数の重要性も強調。過去に少数与党となった民進党の陳水扁(ちんすいへん)政権時に、米国から武器を購入する予算案に国民党が69回反対した例を示し、安定政権の実現を訴えた。
しかし民進党は総統選を制したものの、立法院では過半数の議席を得られなかった。
相次ぐ民進党関係者の汚職や不祥事に市民の反発は強かった。同党の地盤である南部・高雄市では、中国人女性との不倫が発覚した現職立法委員が不出馬に追い込まれ、候補者が急きょ若手の女性市議に変更された。蔡英文(さいえいぶん)総統は9日、この候補の応援に同市に駆け付け、「若者にチャンスを」と訴えた。蔡氏の現地入りは立法委員選での苦戦を印象づけた。
今後、鍵を握るとみられるのが第3政党の台湾民衆党だ。柯文哲(かぶんてつ)前台北市長(64)は12日の記者会見で「一つの政党と協力するつもりはなく、さまざまな議題でさまざまな政党と協力する」と発言。民進党との協力に含みを持たせたが、柯氏は一時、国民党との野党共闘に合意した経緯もある。防衛予算案の審議などを巡り、過去の混乱が繰り返される懸念がある。
東京新聞 2024年1月14日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/302639
引用元: ・「政権継続」選択した台湾市民、目下の関心は物価高騰対策 与党は過半数割れという厳しい現実 [蚤の市★]
日本のメディアが揃いも揃って中国に配慮する必要無く
台湾国民でいいやろ
漢字が多い
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