【在日三世】 北朝鮮・金正恩が「韓国切り捨て」のウラで「ヤバい現実」が見逃されている…！

私が日本から韓国に移り住んで、一番痛感したのは「祖国」と思っていた国を何一つ知らなかったということだった。

戸籍があり、早くから組織から離れ、韓国に来るまで、私の心の中の「祖国」は韓国なのか、日本なのか、果たして北朝鮮なのか、
まったく定まってなかった。私自身、祖国を持たない身分でいいと思っていたほどだ。

それが韓国に長く住むにつれて、「事実上(戸籍のある)の祖国」より「生まれ育った国」が「祖国」なのではないかと
思うようになってきた。

これまでは韓国に関しても、北朝鮮に関しても、ほとんど何も知らずにいながら漠然と
「祖国」は韓国、北朝鮮と理解していた時もあった。
しかし、韓国に住んでみると、そんな知らない国を果たして「祖国」と呼べるものだろうかと思うようになった。
我々の「祖国」と言う概念は、学生時代の「朝鮮民族は一つの民族」というワードから思い込まされていた面もある。

この「朝鮮民族は一つの民族」というワードこそが、日本で生まれ育った私の気持ちを複雑にしてきた。
私はよく「日本に帰化しないの？」と聞かれるが、「できない、しない」理由の一つが、根底に「朝鮮民族は一つの民族」
というワードに引きずられているからではないだろうかと思える。
それほどこの言葉に強烈に植え付けられていたこと気づくのに、私の場合は50年以上かかったわけだ。

・「脱北者」に聞いた話
いまも「統一」を訴えている人たちがいるが、どれだけ「祖国」と呼ぶ北朝鮮のことを知っているのだろうかと思う。

私も韓国で多くの脱北者たちと話し、北朝鮮の現状を多く聞いてきた。
だが、そうした在日脱北者が母校を訪問したいと申し出ても、拒否されたりするのを目の当たりにしてきた。
脱北者は北朝鮮にとって「裏切り者」というわけなのだろうが、それは北朝鮮の蛮行と学校は関係ないと言うのであれば
脱北者であっても受け入れていいのではないかと思うのは私だけだろうか。

そうした中で、最近、映画が全国で封切られて注目を集めている。それが『ビヨンド・ユートピア脱北』だ。

北朝鮮を脱出した家族が、様々な助けを受けながら脱北する様を描いたすさまじい内容である。
この映画が出ると聞かされて、実際に見て、是非、多くの人に見て欲しいと思った。
この映画では北朝鮮の現実の一片が確認できる絶好の機会になるだろう。
この映画から、自分たちが「祖国」と呼ぶ北朝鮮の何を知っているか考えて欲しいと思った。

・本当に大切なこと
私も、映画を見てこれまで何度も聞いて来た「脱北劇」のイメージが一変した。

何度も何度も聞いたはずの話も、映画でみるとまったく迫力が違うのだ。
私の知る脱北者は韓国で保護され、社会に出ているので、金正恩が何かを発したときに「嘘」は「嘘」だとすぐに見破るが、
この映画ではその手前の葛藤も垣間見えた。
そこは是非映画を観てもらいたいが、家族5人の中の80歳になろうという老人の言葉に、私は涙が止まらなかった。

2024年は年始から北朝鮮が韓国に向けて砲撃し、金正恩総書記は韓国を「敵」だとして「平和的統一」の道を絶った。
台湾情勢をめぐって中国の動向も気になる中で、明らかに東アジア情勢が緊迫している。

そうした中で、まず大切なのかそれぞれの国の「真実」を知ることだ。「真実」を知らずに、感情的に声高に叫び合うだけでは、
情勢は悪くなるだけだ。ここからはそうした一人一人の国民の態度もまた重要になってくるだろう。

豊 璋（在韓国コンサルタント）
1/30(火) 7:33配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/38e694c39092341c10afafd20b722ec0d7c47921

結局言ってることは、いいとこ取りしたいっていうコウモリ思考