婚姻率が上がらない理由の1つとして、経済力への不安が挙げられている。不安解消のためには賃金の全体的な底上げはもちろんだが、男女の賃金格差を是正することも重要だ。
23年3月期決算以降、大手企業4000社を対象に人的資本開示が義務化された。定められた開示項目の中には「男女賃金格差」が含まれるのは、情報を開示することで、格差是正への取り組みを各社に働きかける狙いがある。厚労省の賃金構造基本統計調査によると、22年の賃金の平均は男性が34万2000円、女性が25万8900円。男性を100とすると、女性は75.7となり、25ポイント近い差がある。
男女の賃金格差是正は待ったなしだ。しかし実は、それが逆に婚姻率の低下や、ひいては少子化の加速を招きかねない「不都合な真実」がある。『少子化問題の社会学』などの著書がある東京大学大学院人文社会系研究科の赤川学教授は「賃上げは、男性にとっては婚姻率が上がる恩恵があるかもしれないが、女性の婚姻率上昇には効果があまり見込めない」と話す。なぜか。
実は女性の所得が高いほど、婚姻率は下がる傾向にあるからだ。総務省統計局の「令和4年就業構造基本調査」を分析すると、女性は年間所得が上がるにつれて、配偶者がいる割合が低くなる傾向がある。年収が上がると配偶者がいる割合が高まる男性とは逆の傾向だ。
なぜ未婚女性の方が所得が高い傾向にあるのか。未婚女性は自分で生計を立てなければならないことが多く、必然的に所得は高くなる傾向がある。一方の既婚女性は、結婚や出産を機に仕事を辞めたり、パート・アルバイトなどの非正規雇用になったりする人も多い。
だが、こうした事情を差し引いたとしても、所得の高い女性に未婚者が多い理由がある。それは、多くの女性は自分よりも学歴や収入がある男性と結婚する、いわゆる「上方婚」を望んできたからだ。女性がキャリアを持てず、収入が少なかった頃には、結婚の「経済的メリット」があった。しかし、女性活躍が進むと、金銭的な魅力は減る。男女の賃金格差が縮まる中で上方婚を求め続けると、収入が低い男性は見向きもされなくなる。結婚への意識を変え、上方婚と逆の「下方婚」を増やすことが、婚姻率を上げるカギと言える。
男性も同様に結婚への意識を変える必要がある。マーケティング支援のナイル(東京・品川)が運営する恋愛・婚活メディア「出会いコンパス」が23年9月に実施した、20~40代の男女を対象にした調査では、交際相手に望む年収は「自分よりも高い」と答えた女性は51.7%、男性は8%だった。交際相手に望む年収は「自分よりも低い」と答えた男性は34.7%、「自分と同等くらい」は56.3%。3人に1人の男性が自分より稼ぎの低い相手を求めており、「男性が女性を養う」という考えはいまだ根強く残っている。
ある大手結婚相談所は「相手の理想の条件を聞けば、誰もが年収は高いに越したことはないと思っている。現実には、どこまでその条件を緩められるかだ」と話す。女性の下方婚を増やすには、年収以外の条件をいかに引き出すかが重要だ。
リクルートが運営する結婚相談所サービス「ゼクシィ縁結び」では、相手に求める条件をヒアリングする際、年収の条件が高い人には、年収以外にも目を向けるように意識して提案している。初回の面談では過去の交際相手についても聞くため、これまでの傾向と照らし合わせながら、本当に譲れない条件は何かを探す。担当者は「『以前お付き合いしていた人は理想の年収より低かったけど、金銭で困ることはなかったな』と気づいてもらえると、年収以上に何を重要視したいかが見えやすくなる」と言う。
高い年収を望む人は、「今の生活水準を落としたくない」「結婚すると生活費が2倍になる」といった生活費の心配をする人も少なくないという。そういう人に対しては、「家賃は単純に倍増するわけではない」など安心材料を提供しているという。担当者は「年収は重視しなくていいかもと条件を緩める人は、意外といる」と話す。
東京大学の赤川教授は「女性が下方婚を敬遠するのは、家族や友人、職場の人などの影響も大きい」と指摘する。社会制度にも「男性が女性を養う」という考えが色濃く残る。例えば遺族厚生年金の受給要件。女性は夫の死亡時に30歳以上であれば子どもの有無にかかわらず受給できるが、男性は妻の死亡時に55歳以上でなければ受給できず、支給は原則60歳からだ。(抜粋)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC2619O0W4A120C2000000/
引用元: ・【社会】少子化の原因は「女性が自分より収入低い男性と結婚嫌がるから」…男女賃金格差を是正する事で拍車掛かる
政治のせい
女性の社会進出で少子化になるのは誰でもわかる
男が自分より収入の高い女と結婚したがらない
自分のが収入低いと家事とかやらないといけないから
稼ぎいい女との結婚なんてラッキーすぎるだろ
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