【世田谷女性刺殺事件】警察2度介入も「マンション、航空会社の協力得られず」

　東京都世田谷区で韓国籍のパク・ヨンジュン容疑者（30）が交際相手の女性を殺害したとして逮捕された事件で、警視庁は22日にも、この女性へのストーカー規制法違反などの疑いで容疑者を再逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材からは、警察当局が2人を引き離そうと対応していた一方、接触を狙う容疑者が何度も警察の目をかいくぐっていた様子が浮かぶ。（今坂直暉、米田怜央）

◆韓国籍容疑者をきょう22日にも再逮捕

　再逮捕容疑では、8月30日、韓国籍の女性（40）が住むマンション内に侵入したほか、繰り返しメッセージを送信するなど、女性につきまとったとされる。ストーカー行為をする中で殺意を深めていったとみられる。

　女性は8月29日未明、同庁三田署の交番に「別れ話をしたら暴力を振るわれた」と相談。同署が容疑者に対して女性に近づかないよう注意し、容疑者も同意した。同署員は「大阪に行く」という容疑者を東京駅まで送り届けた。最初の警察の介入だ。

　ところが、容疑者は翌30日に女性が住むマンションのフロアまで行っていた。他の住人の出入りに合わせてオートロックを突破したとみられる。

　マンションの警備員が110番して同署が2度目の介入に乗り出した。帰国を促して成田空港の保安検査場まで同行し、容疑者を見送った。しかし、容疑者は搭乗せず港区内のホテルに宿泊し、事件前日にスーパーで果物ナイフを購入。現場で約5時間待ち伏せて殺害したとされる。女性のスマートフォンを盗み見て女性の行動を把握していた。

◆「翌日には約束破っていたのだから」「際限あり難しい」

　警視庁は殺人事件の前にマンション敷地内への邸宅侵入容疑などの立件を検討したが、「防犯カメラの提供を受けられず、（管理会社側からの）被害届も取れなかった」。航空会社には「飛行機に乗らなかった場合に連絡してほしい」と頼んだが、断られたという。

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