【研究】iPSから精子や卵子、ヒトでも時間の問題？　トップランナーの答え

――生命を次世代につなぐ精子や卵子をマウスのiPS細胞などから作って子供を誕生させられるようになり、ヒトでできるのも時間の問題と言われるようになりました。

ヒトのiPS細胞から、卵子や精子のもとになる「始原生殖細胞」を作ることができました。それから精子や卵子になるまで
いくつかステップがあり、ステップごとに研究を進めています。精子や卵子ができるまでは時間がかかると思いますが、
世界中の研究室が参戦しています。海外から研究の話を聞きにくるので、説明すると、企業を立ち上げ、それを模倣していく。競争は激しくなっています。

――この研究の始まりは？

生殖細胞を作ることに注目が集まりがちですが、最初は、マウスの受精卵（胚〈はい〉）の中で始原生殖細胞ができる仕組みを研究していました。

大学院生の頃、英国でクローン羊ドリーが生まれました。体のすべての細胞は同じ遺伝情報をもち、同じDNA配列ですが、
神経、肝臓など役割が違う細胞では、働く遺伝子の組み合わせが違う。一度、運命が決まり、分化した細胞は元に戻らないと
言われていました。しかし、分化した体の細胞の核を卵子の中に入れると、再び体のすべての細胞をつくりだす「全能性」を
もつことが証明されました。生殖細胞を研究することで、遺伝子の働きを大きく変える制御の仕組みを解明したいと思いました。

マウスの始原生殖細胞のできかたがわかったので、胚の中で起こっていることを、iPS細胞などの多能性幹細胞を使って試験管の
中で再現しました。胚の細胞は少ししかとれませんが、大量に作って調べることができるようになり、生命の本質の理解をめざして研究しています。

ヒトはマウスといろいろな点で異なると考えられます。ヒトの生殖細胞ができる仕組みを調べる必要がありますが、ヒトの研究は
難しいので、ヒトに近いカニクイザルを使って10年以上前から研究してきました。

ヒトの精子、卵子の作製の課題は？

――ヒトの細胞に研究を広げて、不妊治療への応用が視野に？

医学部出身なので医療の役に…（以下略）

有料記事／朝日新聞　2024年1月27日 12時00分
https://www.asahi.com/articles/ASS1T42WRS1JPLBJ008.html

◆ニュー速＋　記事情報提供スレ　144◆より

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