そもそものきっかけは、24年12月16日に配信された『インド出身の亀田製菓会長「日本はさらなる移民受け入れを」』(AFP通信)という記事だ。
これに愛国心溢れる人々がカチンときたところへ、亀田製菓の「梅の香巻」に中国産のもち米が使われているという情報も拡散された。ネットやSNSでは「汚染チャイナ米を撒き散らす売国企業」などとボロカスに叩かれ、「不買」が呼びかけられたという流れだ。
ただ、本連載の《「日本に移民を」亀田製菓CEOの発言が炎上して株価は下落…不買運動に加担する“ピュアな人”に背筋が凍るワケ》で詳しく解説したように、このバッシングは話がかなり盛られている。
まず、ジュネジャ・レカ・ラジュ会長CEOは記事タイトルのような発言をしていない。外国人材を活用していくべきという発言をしただけだ。日本人の感覚ではこれは「移民」と異なる意味だが、移民問題に関心が高い欧州を拠点とするAFP通信からすれば同じことなので、「意訳」をしてしまったのである。
また、中国産原料を用いているのは「梅の香巻」だけで、「柿の種」や「ハッピーターン」などそれ以外は他メーカーと同じく国産や米国産の原料が用いられている。亀田製菓は世界で日本の米菓を売る「グローバル企業」で2003年からは中国にも拠点がある。現地の原料を用いて現地で製造する菓子がひとつくらい日本に入ってきてもおかしくはないのだ。
このような冷静な指摘をする人たちも徐々にあらわれたことで、「移民推進CEOは引責辞任せよ!」「日本人を敵にすると怖いことを思いしれ!」などというヒステリックな声もおさまりつつあった……はずなのだが、なんとも間が悪いことに、ここにきて再び亀田製菓が炎上をしてしまう。
(略)
その非常にわかりやすいケースをつい最近、我々は目の当たりにしている。USスチール買収をめぐって日本製鉄と対立をしているクリーブランド・クリフス社 ゴンサルベスCEOが記者会見にあらわにした「日本への憎悪」である。
「日本は邪悪です。日本は中国に、鉄鋼関連も含めて多くのことを教えた。われわれはアメリカ合衆国だ!日本は注意しろ!日本は己を分かっていない。1945年以来、何も学んでいない!アメリカがどれほど善良で、慈悲深いか学んでいない」
これは何もこの人が特別という話ではない。1980年代のジャパンバッシングでは今、我々が中国産に向けているのと同じような憎悪が「日本産」に向けられ、日本人自体もかなり差別を受けた。愛国心が刺激されて頭に血が上ると、「事実」よりも「憎悪」が勝ってしまうのが、人間なのだ。
ただ、このまま日本製鉄のUSスチール買収が失敗すると、アメリカにとっても不利益になるように、愛国心による他国へのバッシングというのは「自滅」につながることが多い。
こんなことを言うと気を悪くする人もいらっしゃるだろうが、今回の亀田製菓の不買運動もそのパターンだと思っている。もしこの勢いで経営が悪化すれば愛国心溢れる方たちが望むように、インド出身のCEOが辞任して、「梅の香巻」が国産原料に切り替わるかもしれない。不買運動を頑張っている人たちの「大勝利」だ。
しかし、一方でここまで亀田製菓を痛めつければ、米菓事業全体に大きなダメージが及ぶわけだから当然、米菓の生産量も減少する。それは国内の米農家にも大きなダメージを及ぼすだろう。
先ほども申し上げたように中国産は「梅の香巻」だけで、それ以外の商品はすべて国産原料を使っているからだ。
その中でも特に深刻な被害を受けるのは、新潟の米農家だ。実は亀田製菓グループは「地域農業との連携」を中長期的な経営課題に掲げている。この施策として食事事業本部長を担当者として、新潟県産米を使用した米粉100%のパンブランド「タイナイ おこめ丸パン」の拡販に力を入れている。
詳しくはこちら(抜粋)
https://news.yahoo.co.jp/articles/5e2c2dc0873c50bc1daf12c5114a71bd7de3e193
引用元: ・「亀田製菓、ざまあ」まだ不買運動を続けている人が『日本の敵』になってしまうワケ
岩塚製菓の味しらべが大好きです
新潟の米農家のためにも
これだけの発言で叩かれる意味が分からんよね
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